|
吉行:そうですね。私にとって実生活っていうのは、二の次三の次なんですね。やっぱり仕事やってる時が一番充実感があるというか、一番正直な気持ちでいられるって思うんですよ。ほんとにここ最近、そう実感するんです。
松井:それはいつぐらいから実感されるようになったのかしら?
吉行:やっぱり40も過ぎて、50にも近くなってからですけどね。まあ、そういういい仕事にも巡り会えて、巡り会った時って充実感がとても強いし。それに比べたらやっぱり実生活は、ある意味じゃどうでもいいと感じてしまうんです。今後ますますそうなる気がする。だから私にとっては、熱中できる仕事を頂けるということが一番の幸せなのね。
松井:でも実生活とか実人生、ご自身の人生そのものも。演技をされる上で、今までの体験が肥やしになってきたことも、たくさんお有りですよね?
吉行:そうですね。ほんといろんなことがありましたし、だてに年はとってないわよ(笑)って、若いディレクターさんに言ったことがあるんですね。現場で戦争の話になったりして、やっぱりそういう話の時は「伊達に年取ってないんだ」って、いばったりしてるんですけど(笑)。戦争も知ってるし、戦後も知ってるし、これまでの人生を振り返ると良かった事って言うのは、ほんのちょっとしかないんですよ。でも、それはみんな役に立ってるから、結局自分にとっては良かった事になってるのかな、と思いますね。
次へ→
|