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 待ちに待った松井久子監督の第2作「折り梅」を、2002年4月12日北海道札幌市で開催いたしました。はじめて『折り梅』を拝見した時「これだ!今私達が必要としているのはこの作品なんだ。この映画が売れなかったら、今の日本はおかしい」とまで考えるぐらいほれ込んでしまいました。「この作品は、北海道でどこよりも先にやりたい」そんな思いを抱きながら、劇場公開を前にして、夕方1回だけの特別上映会を開催する事に決まったのは2月に入ってからのことでした。準備期間が1月半しかないけれど、1,000枚のチケットを配券し監督にも舞台挨拶をしていただくことに決定。しかし、もしチケットが売れなかったらどうしよう、上映日に観客がいなかったらどうしようと、不安を抱きながらの上映会でした。開場時間に合わせてエレベーターが動き出し、扉が開く度に次々とお客様があふれ出て、上演時間には座る席もないほど満員。ほっとしたせいでしょう、知らず知らずに笑顔と一緒に涙があふれていました。

 来場下さった方々の反応は、<スクリーンの中のこと>に終わらず、笑いと涙と暖かい空気に包まれながら、自分の人生と重ね合わせた人たちでいっぱい。上映が終わって、監督に話を聞いて欲しい、サインが欲しいと並ぶ列、私たち実行委員に労をねぎらってくれる人たち、そして「私たちの町でも上映できるかしら」と尋ねてくれる人々。会場から離れようとしないお客様でロビーは、ごった返していました。

 思えば数年前「さっぽろ女性映画祭」で素敵な松井監督との出会いがあり、それまで専業主婦一筋だった私に『ユキエ』の配給会社から電話番のアルバイトのお誘いをいただき「1年ぐらいの小遣い稼ぎ」と軽い気持ちで引き受けた仕事。そろそろ専業主婦に戻ろうか、と考えていた私の背中を優しく押すように『折り梅』の上映をきっかけに「心から笑ったり、泣いたり、元気がもらえる、そんな映画を普及させたい」と考えるようになり、電話番から営業となって働かせてもらうことになりました。

 劇場公開終了後、当社で『折り梅』の北海道配給をさせていただけることになり、北海道のどんな小さな町でも「上映したい」と言って下さる方々がいる限りフィルムと映写機を持って上映に出かけています。

 新米の私には経験などなく、もちろん自信もありません。ただ初めて映画を拝見した時に熱くこみ上げてきた感動を言葉に代えて、それぞれの実行委員会の人たちと心通わせながら毎回ドキドキしながら上映日を迎えています。そして、上映会ではいつも皆さんに更なる感動とエネルギーをいただいています。ある場所で初めて上映会を行い、たくさん観客が押し寄せる姿を見て、実行委員の一人が「うれしい」と泣いてしまいました。数ヶ月前の私と同じです。共に肩を抱いて喜び合える幸せです。またある場所では、上映中にロビーの隅っこで使い残した折り梅のチラシでなにやら折っている。実行委員の皆さんとお別れの際「また一緒に上映会したいですね。素敵な作品を紹介してくれてありがとう。感謝の気持ちです。」と暖かい拍手と共にいただいた折り梅のナベ敷。楽しく上映会を終えていただき、感謝までしていただいた時の喜びはなんとも言えず、私もうれしくて泣いてしまいます。

 『折り梅』という作品は観る者だけではなく、上映をする側の人間や周りの人たちまでも優しい気持ちにさせてくれる作品なんだと思います。この作品から仕事が始められたことに感謝と幸せをかみしめながら今働いています。北海道は、年内12月8日で23ヶ所目の上映を終えますが、来年もまだまだ『折り梅』の花を咲かせ続けられるよう頑張ります。


北海道『折り梅』応援団団長/(株)プリズム 木村 薫
 
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