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22日から24日までは、もう6年も前、処女作『ユキエ』の仕上げ作業で3ヶ月を過ごしたニューヨークに立ち寄って、事件から1年経った世界貿易センタービル跡地・グランドゼロを訪ねたり、大好きなセントラルパークを散歩したりして、久しぶり忙中閑の時を過ごしました。 |
まずは『ユキエ』の時の思い出がいっぱい詰まったそのNYでの(ちょっとバカバカしいと叱られそうな)エピソードからーー。
実は私、見かけによらず、スポーツ観戦が大好きなのです。
サッカーからボクシングまで、世界のビッグなスポーツ・イベントの中継は
真夜中の放映もいとわずに殆どリアル・タイムで見ているほど。毎回繰り広げられる筋書きのないドラマがいつも極上の興奮を与えてくれて、私の何よりのストレス解消法になっているのですね。
そんなスポーツ・オタクの私を、NYで待っていてくれたのは、なんともうじき始まるUSオープンテニスの選手達と同じホテルに泊まるという幸運だったのです。
エレベーターや廊下ですれ違う人は皆私の知ってる世界的なテニスプレーヤーばかり。
「あの人はトッド・マーチン。アメリカのベテラン選手よ。
あの女性はフランスの・・・」
得意になって説明する私に、同行の藤原さんも感心するやら呆れるやら。NYに着くなり、旅は最高に楽しいものになる筈でした。
一体これから、誰と会えることになるの?と、高まる期待に胸躍らせて。
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そして2日目の午後のこと。5番街の散歩から戻ってみると、フロント付近で10人程のテレビクルーが、撮影の準備に余念がない様子です。それを見た途端、私の頭に、ピンとひらめくものがありました。
「もしかして、今からサンプラス
(ついこの間までの世界NO1プレーヤー。
私にとっての永遠のアイドル選手)
がチェックインするのでは・・・?」
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何度もパンの練習を繰り返すカメラマンの顔は真剣そのもの、照明マンの丹念な仕事ぶりもまさしく大物を待つ風情です。
「間違いないわよ。サンプラスが来るんだわ!」
持ち前の誇大妄想を発揮して突然ミーハーと化した私は、藤原さんを引っ張ってロビーのソファに座り込むと、胸をドキドキさせて、サンプラスの登場を待つことになったのでした。
そして憧れの人を待つこと1時間あまり、いよいよライトがオンになって撮影が始まってみると・・・?・?・?・・・カメラが追いかけ始めた被写体は、さっきからずっとスタッフの中に紛れ込んでいた、あまり可愛くもない女の子ではありませんか・・・。
「???・・・あの子を使ってのリハーサルでしょ?ね、そうなのよね?」
隣の藤原さんも半信半疑で目をこらしています。
ところが、撮影隊は、その娘がチェックインする様子を素早く5分ほどで撮り終えると、そそくさと荷物をまとめて引き上げて行ってしまったのです。
どうやらその撮影は、ホテルのプロモーション・ビデオか何かの1シーンに過ぎなかったようなのですね。
な〜んだ、ガッカリ・・・。
かくして私たちは(私だけか?)、はかない夢に終わった憧れのサンプラスとの邂逅を諦めて、足取り重く、NYを後にしたというわけなのでした。
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